2018.04.18
穀雨~兼題「花」

今週のNHK俳句の兼題は、「花」。
明後日は、二十四節気の「穀雨」。春の雨が田畑を潤し、穀物の成長を促す頃で、昔から「清明になると雪が降らなくなり、穀雨になると霜が降りることもなくなる」といわれたそうだ。
4月ももう後半に入ったが、相変わらず気温変化の著しい、行きつ戻りつの気候が続ている。昨夕からの雨模様も早朝には回復し、先程からこの時期らしい日差しが戻って来た。
行きつ戻りつの気候を尻目に、庭の草木は、着実に季節を進めている。
白い花の散ったジューンベリーの木には、沢山の小さな青い実がついている。

今年は、ハナミズキが沢山の花を付けた。周辺の桜の木はすっかり葉桜となったが、ハナミズキは、過ぎ行く春を惜しむように、今が盛りである。
さて、兼題の「花」である。
昔から詩歌で用いられた「花」は、桜の花であることは、言うまでもない。「花鳥風月」に代表される日本人の美意識の頂点でもある。
暮れなずむ水面を照らす花筏(いかだ) .....akira
水汲みて弁天様にも花の酒 .....kumiko
爛漫の桜の季節も終わり、葉桜となった桜並木は、強くなりつつある日射しを受け、一層緑を濃くしている。(akira)
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2018.04.11
明け易し~兼題「春暁」

今週のNHK俳句の兼題は、「春暁」。
ソメイヨシノはすっかり葉桜となり、八重桜で有名な、「造幣局の通り抜け」が始まっている。
4月も10日を過ぎ、庭の草木もすっかり初夏の装いを見せ始めている。
「春眠暁を覚えず」といわれるが、日に日に明けるのが早くなっていて、5時半に起き出す頃には、もう街灯の灯りが弱弱しく感じられるような明るさになってきている。
先日の早朝、蓮池の上空には、これから昇らんとする太陽の光の帯が、まだ暁の色を残した空に向かって伸びていた。

さて、兼題の「春暁(しゅんぎょう・はるあかつき)」である。
「春は、あけぼの」で始まる、「枕草子」第一段は、「秋の夕暮れ」と対比され、日本人の美意識の象徴として親しまれてきた。
まだ眠気の覚めぬ目に入る景色は、春霞に薄くベールを冠ったような柔らかな光の佇まいは、春のけだるさとあいまって、なぜか心地よい。
旅立ちぬ春暁(はるあかつき)の茅渟の海 .....akira
春暁(しゅんぎょう)や山峰々の燃え出ずる .....kumiko
初夏を思わせるような庭の緑とは対照的に、寒暖差の大きい気候が続いている。今日も、春の嵐のような風が舞っていて、心地よい春はやって来るのか、冬服を仕舞い切れない日々が続いている。(akira)
2018.04.04
「清明」

今週のNHK俳句は、年度替わりのため(?)お休み。
明日は、二十四節気の「清明(せいめい)」、春先の清らかで生き生きとした様子を表した「清浄明潔」という語の略で、 万物が若返り、清々しく明るく美しい季節だという。
春の彼岸が明けると、気候は一気に冬から初夏へと移り、春の心地よい期間はほとんどなく、水の恋しい季節になっている。
庭の草木も、新芽を、花や若葉へと進化させ、季節の急激な変化に合わせるように、目まぐるしく変貌している。
こちらは、昨日のフロントガーデンの様子。

アカメソロの新葉が日に日に成長し、庭に木陰を作るようになってきており、清楚な白い花を満開にしたジューンベリーは、そろそろ散り始めている。(akira)
2018.03.28
桃から桜~兼題「雛市」

今週のNHK俳句の兼題は、「雛市」。
彼岸の明けを待っていたかのように、日中は初夏を思わせるような陽気の日が続き、咲き始めた桜も、一気に満開に近づいている。当分雨風の気配もなく、今年は、満開の状態が長続きするそうだ。
こちらは、1週間ほど前に、小鈴の散歩道で見かけた桃の花。

まだ桜の花の蕾がほころび始めた頃であった。
さて、兼題の「雛市」である。
この辺りでは、新暦でひな祭りを祝うことが多く、各地のイベントもすっかり終わった感がある。ひな人形が飾られていたショーウィンドウは、端午の節句仕様に模様替えされ、桜の花に浮かれる心には、雛の季節は既に通り過ぎた過去の事のように思われる。
雛市の何処か似た顔富士額 .....akira
男(おのこ)のみ買うあても無き雛の市 .....kumiko
週末には、少し花冷えとなるようだが、日中は汗ばむような陽気が続きそうで、庭の草木も、一気に春本番を迎えつつある。(akira)
2018.03.21
春分~兼題「猫の恋」

今週のNHK俳句の兼題は、「猫の恋」。
今日は、二十四節気の「春分」。太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じとなる頃である。また、 「暑さ寒さも彼岸まで」といわれ、寒さは和らぎ過ごしやすい季節になるという。
それでも一気に春を迎えるわけではなく、「寒の戻り」や「花冷え」などという寒さを繰り返し、行きつ戻りつしながら春は深まる。
近くの桜の木も、蕾がほころび始め、まもなく開花だが、一昨日から続く雨に、足踏み状態となっている。
それでも、日差しは日に日に強くなっていて、晴れ間の日差しを浴びると汗ばむほどになっている。
先日のこと、最近我が家の庭を我が物顔で出入りする猫も、僅かな日陰を求めていた。

さて、兼題の「猫の恋」である。
春眠の心地よい眠りを邪魔する、恋猫の鳴き声は、些か無粋である。
鳥のさえずりに春を感じ、無粋な恋猫の鳴き声にもまた春を感じる、俳句の季節感なのである。
ゆるゆるり雲の流るる猫の恋 .....akira
日向ぼこ付かず離れず猫の恋 .....kumiko
春の雨は、今日いっぱいは続くようで、春の歩みも暫くは留まるようであり、来週までは足踏み状態が続きそうだ。(akira)